「ね……ねぇ、ちゃ…ん……」
ヒューヒューと、明らかに呼吸が乱れている香輝が発した言葉に私はタダ驚愕するばかりだった。
「……ッう……!!」
「ゃ…! 香輝! やだッ…先生ッ!」
「香輝、どうした…?」
いつの間にか現れた新堂先生は、香輝を抱き抱えて歩き出した。
ど、どうしよう…。これって、やっぱり私のせい…?
だって、香輝は私を庇って殴られたんだもの。
私のせいだよ…。
「…都……」
「パパ…。どうしよう…私のせいだよ…」
頭に何も考えが浮かんでこない。浮かぶのは、私のせいで香輝に怪我を負わせてしまった事だけ。
「……ごめんなさい」
私はタダ、小さな声で…視界からいなくなった香輝に謝る事しか出来なかった。
自分には何もしてあげられない。それが両肩に苦しくのし掛かった。