そして、私の背後…さっきまで話をしていた香輝が、私の腕を掴んで自分の方へ引き寄せた。
あ…。って思った時には地面である芝生にお尻を強く打ち付けていた。
けど私は、一度も悲鳴を上げなかった。…ううん…、上げれなかったの間違い…。
ケントが持っていたのは、どこかで拾って来た鉄の棒…。
…………嘘…。
「……ケ、ケント…」
…こ、こんな事をするなんて…。
「お前のせいだッ!! お前さえ出てこなかったらミーヤは俺のだったんだッ!」
「…っう……」
頭から赤い血がパタパタと流れ落ちていくのを私は、他人事のように香輝を見つめた。