パパの言葉を背中で受けながら、私は導かれるように香輝の方へ歩いて行った。




何で、香輝が気になるんだろう?

そんな不思議な感情を纏いながら、私は香輝がいる所へ辿り着いた。






「…香輝…?」







香輝がいる所に辿り着いた私は、思わず息を飲み込んでしまった。



太陽の光をキラキラと浴びて、目を閉じた彼が…こんな言い方するのも恥ずかしいんだけど…天使に見えちゃった…。




「………都? どうしたの? あ、夕べより顔色いいね。ちょっと、心配してたんだ」



笑いながら、私の顔をシッカリと見つめる香輝の瞳の視線からの逃げられなくなる。

氷のように凍り付いてしまった私の体を見ても何も疑問に思わない彼…。


人の目を見て話す子だな…。





「……香輝はどうして、ここにいるの?」

昨日からの疑問を私は尋ねた。
…けど、香輝は儚げに笑うだけ…。何だろう…胸が苦しい…。
…どうして、そんな悲しそうに笑うの?




嫌な事があったって言う事が、分りやすいぐらい分るよ。




私は、そんな風に笑えないよ。









……あんな事があった後なんて…笑う事が出来ないよ…。