フワリと笑う香輝の顔をもっと見ていたい…そんな気持ちが風船のように大きく膨れ上がって、私はヒドく動揺してしまった。
何を考えたの…私は…。
だって、危害を加えない新堂先生ですら、怖いって恐怖心が湧き上がってたのに…。
でも、香輝の顔は穏やかで、見ている私まで落ち着いてしまう。
どうして香輝を見て、こんなに落ち着くんだろう…。
相手がパパなら分かる。身内だもの。私を傷つける事は絶対しない。
なのに…香輝を見ても落ち着いていれる私は…。
もう一度、月や星を見上げた私は香輝の顔をチラリと見る。
香輝は、私の顔をジッと見つめていた。
「………何?」
「ううん。何でもない」
柔らかく笑う香輝は、本当に優しくて、周りをホワッと暖かくさせる力があるみたい。