一晩、泊まる事が決まると、里莉さんはワクワクした表情で私を見ている。
逆に私は、そんな里莉さんの表情に少し複雑な気分になってしまう。
ベッドの横には小さなベビーベッドが置かれていて、そこにはスヤスヤと眠る赤ちゃんが寝ている。
「もし、寝ている時に泣き出したらごめんなさいね…」
「あ、大丈夫です…」
少し笑って見せると、里莉さんはホッとした表情をした。
………何だろう。今気がついたけど、里莉さんって人の顔色を伺ってるように見えるのは、気のせい?
オドオドって言ったら聞こえが悪いのかもしれないけど、一番分かりやすい表現がこれしか思い付かなかった。
「都ちゃんて、弟と同じ年なんだね。嬉しいなぁ~」
「弟、さん?」
「そう」
嬉しそうに笑う里莉さん。
…自慢の弟さん…なんだ…。