ベッドから体を起こそうとして、お腹に力を入れたら…案の定、体中に痛みが走って顔を歪ませてしまった。
「動いちゃダメ!」
「…で、でも…」
「こいつの言う通り、君は寝ていたほうがいいな」
上からモノを言うような言い方だったけど、嫌悪感を感じる事はなかった。
けど、何だろう…心臓はバクバク言って、緊張っていうか…簡単に言うと、恐い…。
嫌悪感がないのに恐いって、変だと思われるかもしれないけど、体中の神経が逃げたいって叫んでる。
「里莉…新堂はどこだ?」
「あ、そろそろ戻って来ると思います」
そう言うと、ノック音が部屋に響き渡った。