「うん。少し手直しされたけどね。まぁ、範疇内って所」
私は、作り掛けだったコーヒーにたっぷりのミルクと、山盛り3杯の砂糖を入れ混ぜてママに手渡した。
甘党のママには、これぐらいが一番。
「……何かあったの?」
ママのスゴい所その2。かなり鋭い勘がある。
「…うん。……キス、されたんだよね…」
「この間言ってた…ケイト?」
「ケントだってば。…まぁ、そのケントがいきなり、私にキスしたのよ」
ママはただ私の話をジッと聞いているだけ。それがママの教育方針。
子供の話を最後まで聞いてくれる。
「キスされたのがイヤだったの?」
「……そう。…だって、私…結婚式までにキスなんてしたくなかったんだもん!!」
「パパみたいね。…まぁ、女の子の許しを得る前にそれをするのはルール違反だわ」
「パパみたいは余計よ!」