「ミーヤ! ただいま」
家に帰って1時間も立たない前にママが、帰宅した。
私の唯一の自慢は、超美人なママ。キレイなブロンドとグレイに近い色の瞳、そして彫りの深い顔立ち。私は昔っからママに憧れていた。
モデルをしてたんじゃないの? って聞きたくなるほどの長身(実際は179cm)。
でも、ママは一度だってモデルなんかした事がないって言うの。昔も今もデザイナー一筋。
小さな子供からヤング系まで。かなり幅広く、仕事をしているし、そこそこ売れてるみたい。
しょっちゅう、仕事の会議で家にいる事の方が少ないけど、一度だけママに仕事に行かないでって、泣いて喚いた事がある。
理由は…ママは気付いてなかったけど、日本で言う母の日だった。
その話をしたらママはいつも私を抱き寄せて、顔中にキスをしてくれた。
「ママ? 昨日会議だったんでしょ?」
どうだった? それを言う前に、ママの顔を見て確信した。
「……上手くいったんだ…」