驚いて私は自分の口に力を入れて、ケントを拒むような感じになってしまった。
「…………」
ケントとのキスが終わって視線を上げれば、彼は機嫌が悪いのか眉を潜めて私を見下ろしている。
そ、そんなに怒らなくったって…。
ケントは眉を潜めて、明らかに不機嫌な様子を隠そうともせず、無言で私を睨み付けた。
「な、何で?」
「ん? 内緒」
何だか、今まで見た事がないような笑みで、私を見下ろして再び…不意打ちのようにキスをした。
今度のキスはすぐに離れたけど…、離れる瞬間、下唇をペロッて舐めた。
「ッ…~~!!」
「~♪ やるなケント! ここ、学校だぜ!?」
通りすがりのケイトのクラスメイトが口笛を吹かしながら、私たちを茶化す。
は、恥ずかしいッ!! な、何でこんな事するのよ~!
私だって、女の子だよ? キスだってロマンティックなシチュエーションを思い描いていたのに…こんな、こんな人がたくさん…学校でしなくったって…!