全く、いちいち驚かせる奴だ。

「さぁ、ニンマ。押し入れに移動しようか。すぐに出してあげるからね!」


ズルズルズルズル…。


パタンッ。

「よし、ニンマは良い子だなぁ。次は、ニンマの血を拭こう。」


フキフキフキフキ…。

シュッシュ、フキフキフキフキ…。


よし、完璧だ。さぁ、男を呼んでこよう。

         ******

「お待たせ。待たせて悪かった。」

「いえいえ。…あれ?カルロス裁判長、腕に赤いものが…」

「えっ!?あ、あぁ…、こ、これは、ジャムだ。今朝、イチゴジャムのパンを食べたから。」

「え?でも、先程は付いていなかった気が…。」

「今すこしつまんだんだ!」


ふぅ…。危うくバレるとこだった。早く家に入ろう。



「…で、聞いてくださいよ、さっきのことを」


「あ、あぁ…。何があったんだ」

「私には、裁判官のニンマという許嫁がいたんだ。私もそいつを愛していたし、ニンマも私を愛していたと思う。


お互い17歳になったら結婚しようと言い合っていた。そしてさっき...ニンマと私は共に寝ていたんだ。でも、起きた時、ニンマの姿がなくて...。


もう1時を過ぎた頃、まだニンマは帰ってこなかった。私はニンマが浮気しているのではないかと考えた。フツフツと沸き上がってくる怒り。私は静かにテーブルを一人囲んでいた…。


3時を回り、コンコンとノックが鳴った。もしかしたら仕事が長引いたのかもしれないと思い、私は扉を開けて、ニンマを抱きしめたんだ。

そしたらニンマから、ビールと異様な香りがした。ハッとしてニンマを見ると、身体中にキスマークをつけ、汗だくのニンマがいた。

私は全てを悟った。こいつは浮気をしたんだと。」