「え、あぁ」



もっちは渋って、りっくんを見る。



「教室に見に行ったの、隣騒がしかったし」



「うん」



「したら、こういうことされてたから、俺もう耐えらんなくって」



「うん」



「もっちの上から飛び降りて、ふざけんなよって怒鳴り散らして、奪い去ってきた」



「はぁ…」



バカなの、りっくん



「いーの、俺Iに友達いないし」



「だからって…」



「悪いけど、気に食わなくても過去は取り返せないの。だから、何言ったって始まんないよ。」



「…うん」




人が、集まってきた。シュールな光景は、目立つ光景は、避けたい。



「ありがと、2人とも、教室、帰るね」



怖くて怖くて、仕方ないけど



「それ、持って帰るの?」




「…いらない、かな」




「捨てる?」



「うん」



「じゃ、捨てといてあげるから」



その大きな手に、私が作った、頑張ったものを託して



流れそうな涙ぬぐって、Iに行った。