日が差し込んで元々色素が薄いのであろう柔らかそうな髪が一段と透き通って見えて
一瞬見とれてしまった。


「どうしたの?」


その一言でふと我に返る。


「いや、え?誰ですか?」

「隣のクラスの者、通行人B」


いたって真面目な顔でそう答える彼に笑い返すことは出来ず、思わず目を逸らしてしまった。

いや、通行人Bって、Aは誰よ?

心の中で言いたいことをこらえ、また見上げる。


「えっと、何の用?」

「用〜...は特に...?」


そう言いながら私の前の席のイスを反転させて私の前に座り出した。

ますますよくわからない状態にきょとんとしてしまった。