ユウヤとの帰りの時間をほんの少しずらす。

走れば間に合うギリギリの電車に乗るつもりはないから。

仲の良い友達はほとんど部活に入っていて
放課後1人でぼんやり校庭を見下ろす。


「...若いなー...」


なんとなく呟いた独り言。


「いやいや、自分も充分若いでしょ」


声が聞こえ、驚いて横を向くと見覚えのない顔が立っていた。

この人がケイタ。

今より髪は短くて
よく考えたら目も今よりもう少し空いてた気がする。

私が座っているせいもあるけど、
スラッと背が高くて見上げると少し首が痛かった。

突然と現れた知らない人に自分の呟きを拾われて少し困惑した。