「はいはい早くしような、アイス買ってやっから」
凌輝は目を細め、仕方なさそうにふっと口を緩めて笑った。
「やった!」
「本題、俺、もうお前と一緒に学校行かない。行きたくない」
凌輝は、いきなり真面目な顔に変わると、そう言った。
わたしの胸はとげが刺さったようにちくりと痛む。
「どうして?」
わたしはいつも通り、幼なじみで、
「俺はこの前のこと無かったことにしてねえからな」
反対にわたしは、無かったことにしようとしてた。
「お前、無かったことにして、俺迎えに来たんだろ?」
核心を突かれ、わたしは言葉が出てこない。
その通り。
無かったことにして、迎えに行って、いつも通り馬鹿な話したら、キスのことなんて無かったことになって、こんな胸が苦しくなることなんて。
ーー胸が苦しい??
「何顔、赤くしてんの?やっと俺のこと男って意識し始めた?」
「ばか!凌輝は!」
凌輝の言葉にかあっと顔が熱くなるのを感じた。
「凌輝は!幼なじみだから!男じゃない!」