「よ!久々だなアッキー!」

「雅哉君」

「きったねーーなアッキー!髭剃って髪切れよ!」

「今丁度そうしようと」

「おばさんいねぇんだな!!
あがるよーーーー」

「雅哉君今日は」

「いつなら!・・・いつならそのしけた面、辞めて出迎えてくれんだよ」

何も言えなかった。
10も年下の雅哉になにも言い返せなかった。

「とりあえずその髭剃ってこいよ」

「あぁ」

言われるがままに洗面台へ向かう。

ジャーーーーーーーー

流れる水に手を伸ばし
水にを両手に溜めて顔をひたす
石鹸を手に取り泡立てて
顔に塗りカミソリを掴む

このまま喉を切り裂けば
椿の所にいけるだろうか・・・

胸の奥の黒い霧が脳まで侵食し思考を止める。
首にカミソリの刃を添えて食い込ませ、
すーっと横へ動かした。
秋人の肌は口を開ける様に裂けて
切り始めた所から綺麗に元どおりに塞がっていく。
目を疑った。
秋人は狂った様に何度も喉を掻っ切った
だが血が流れ出すより先に修復されてしまう。

「ど・・・どういう・・・ことだよ」

わけがわからなかった。
理解ができなかった。
鏡にかじりつくように自分の顔を首を見る。
おかしいのは首だけじゃなかった。