駅から10分も歩けば海が見える。


海水浴シーズンには少し早いせいか、人はほとんどいない。


「ごめんつきあわせて」


「いいんです。一人でご飯食べるの寂しいでしょ」


冗談ぽく言ってみる。


じかに砂浜に座って、先生はお弁当を広げて食べ始めた。


暗闇に波の音が静かに響く。




沈黙・・・・。



まるでこの世に二人しかいないみたいな静けさ。