「なんだよ、茜・・・・・俺、茜に嫌われたのかとショックだった。」

「これまで散々私を辛い目に遭わせた罰よ。」

「ああ、分かってる。俺が何もかも悪かった。」

「こんど私を不幸にしたら一生恨むからね。」

「ああ、いいとも。」


 茜が俺の頬を両手で挟むと俺も茜の頬を両手で挟んだ。お互いに見つめ合う瞳はとても熱くて今にも燃え上がりそうだ。

 茜の目に溜まった涙が溢れ流れ落ちると俺は指先で拭っていた。その指に茜は自分の手を重ねた。茜の熱い手の平が重なると肌を通して俺の体に茜を感じていた。



「子どもは最低でも3人欲しいわ。それに、毎日キスして愛しているって言って。出来る?」

「ああ、子どもは何人でも構わない。それにキスなんて一日中だってしてやるよ。」

「愛してるって言ってくれないの?」

「嫌ってほど聞かせてやるよ。」


 「本当に?」と疑う茜を抱きしめると俺はそのまま布団の中へと引きずり込んだ。俺の体はもう茜がいなければ生きていけない。茜にもそうなって欲しいと思いながら朝から何度も茜の中へと入っては茜の希望通りの子ども授けようと俺は頑張った。


「朝から頑張りすぎ。」

「いいさ、今日は二人の記念日だろ? それに会長へ挨拶へ行こう。」

「うん」


 俺の胸に顔を埋める茜は嬉しそうに返事をしていた。その明るい声に俺の心も弾んでしまう。

 これからの二人の生活をどうするのか、それを考えるだけでも幸せな気分に浸れる。こんな最高な朝を迎えたのは生まれて初めてだ。


「茜」

「なに?」

「愛してるよ」

「私も愛してる!」


 こんなセリフを言ったら今の俺達が布団から出られるのはまだ先の事で今すぐは無理そうだ。例え会社が俺達を待ってようと、会長からの呼び出しを受けようとも俺と茜は今は二人だけの甘い時間を過ごしたくてここから離れられない。