そして、その日、茜を自宅アパートまで送って行った。茜は一緒に食事をしたいと誘って来たが、俺は自分に自信が持てなくてこの日は茜を車から降ろすと帰って行った。

 茜は帰って行く俺の車を何時までも見送っていた。バックミラーから見える茜の姿はどんどん小さくなるも、茜は部屋へ入る様子はなかった。


「なんでだよ・・・ちっ!」


 茜は見送っていたけれどその場から動こうとしなかった。俺は車をUターンさせると急いで茜のアパートへと戻って行った。

 茜のアパートへとやって来ると俺の車を見た茜はにっこり微笑んでいた。


「いつまでそこで見送っているつもりだ?!」

「優也さんが戻ってくるまでここから動かないよ。」

「茜・・・・いいのか?俺は、茜を幸せに出来ない男だぞ。」

「優也さんがいい。」


 茜のその一言で俺は決心がついたようだ。俺は茜への感情を押し殺す必要はないんじゃないのかと。茜が望んでくれるのならば俺は茜を一生大事にしたいと俺は茜にプロポーズしてもいいのか?と俺はそんな事を考えていた。

 車を停めると茜の部屋へと入って行った。

 そして、俺達は本物の恋人同士のように抱きしめあってキスしあった。

 もう何年も会っていない恋人への口づけをするように激しくキスを求めた。茜もまた欲しかったキスに自ら淫らに応えてくれる。そんなキスに俺は少しショックでもあった。茜はキスに慣れていたからだ。

 これまで何人の男を受け入れたのだろうかと考えると嫉妬で気が狂いそうになる。そんな男達の痕など残させるものかと俺は茜の体を俺一色に染めてやろうと思った。