「歓迎会なら勿論俺も参加して良いんだよな? 新藤」
「げっ・・・か・・・課長も来るんですか?」
「俺が行くと不味い事でもあるのか?」
「いえ・・・皆歓迎しますよ・・・あははは」
明らかに嫌そうな顔をする新藤だが俺は茜がこいつ等の餌食になるのだけは阻止したい。
それに、茜を守るには女の数が一人でも多い方が良いし、俺の目の届く範囲でなければ参加させない。
「新藤、勿論、商品開発課のメンバーがいなければ意味ないよな?佐伯、狩野、お前たちも参加だ。いいな。」
一方的だとか横暴だとか言われても構わない。茜に変な虫をつけるわけにはいかないんだ。茜を幸せにするのが俺の使命なんだから。
茜の微笑みをいつまでも見れることが今の俺に唯一残された幸せなんだ。その為には俺は何でもする。
「新藤、今日も新人教育頼んだぞ。それから、歓迎会以外の合コンのセッティングは暫く禁止だ。まずは、仕事を覚えさせることを優先しろ。」
「わかりました」
不満そうにするかと思ったが態度に出るほどには新藤の不満は見えなかった。ならば、暫くは安心しても大丈夫だろうと、俺は一安心をしていたのだが、やはり、新藤相手にその考えは甘かった。
一日の仕事が終わった夕方の事だった。
新藤は途中まで一緒に帰ろうと言いながら茜の腕を引っ張って帰って行った。その勢いの良い事に何かあるような予感がしてならなかった。
「狩野、ちょっと頼んでもいいか?」
帰宅準備を済ませた狩野が帰ろうとしたのを呼び止めたことで怪訝な顔をされたが、今はそんな事より茜の身を守る方が最優先だ。
狩野よ、商品開発課課長の俺の為に働け。