「え!!何でいるの!?」
私は一気に意識を取り戻す。
「何でって……そりゃあみぅが倒れたから、お父さんからの差し入れ届けに来たw」
差し出されたのはOS1。
脱水症状にはうってつけの飲み物だ。
なるほど、全部お見通しだったって事ね……
「ほら、それ飲みな。」
「差し入れは試合前にお願い……倒れてからじゃ遅いって……」
「だって声かけてもなーんも返事返ってこなかったもん。別人かと冷や冷やしたわ。」
「あー、ごめん。」
久しぶりの姉妹トークをしてると、審判が来た。
「もうすぐタイムの時間終わります。棄権しますか?」
棄権は嫌だけど、回復まであと少しかかりそう。
くそ、どうしよう……
そう思っていると……
「あー、すいません、私もなんかお腹痛いのでタイム取ってもらっていいですか?」
「分かりました。」
うそ……
お腹痛そうになんて少しもしてなかったのに……
「ムダにしないでねこのタイム……ウチだってもっと楽しみたいんだから。」
そう耳元でつぶやくと、なな姉は去っていった。
くそ!
自分のタイムを使ってまで助けてくれるなんて……
走って戻っていく、その背中がカッコよすぎて眩しい!!