そこからの記憶はほとんどない。


気づいたらコートに立っていた。



「さ、行こう。」



のんちゃんに言われてふと我に返る。



「これから羽柴・渡辺ペア対木村・羽柴ペアの試合を始めます。」



審判の声が頭に響く。



『お願いしますっ 』



相手、審判2人に礼をし、じゃんけんをする。


渡辺って……


まさかとは思ってたけど、陵東で同じソフトテニス部だった人じゃん。


もっと言えばAmazeのメンバーで、七星のペアだった人。


どうりであっちも「久しぶり」っていう目で見てくるわけだ。


つまりこれは……


完璧身内対決って事になる。