私は手首のテーピングをやり始めた。


いつもよりも重ねて頑丈に巻いていく。



「んっ……」



いつもは簡単に手で切れるはずのテープがなかなか切れない。


最後のテープを巻き終わった時、なぜか背中がどっと重たくなった。



「緊張してる?」


「全然。」



いや、ほんとはしてるんだ。

身体が言うことをきかないくらいに。


でも私は強がってしまう。


バカだなぁ私と思っていると、のんちゃんが両手を出してきた。