夜、皆が寝静まった頃、目が覚めた


俺は気ままにベランダに出た


綺麗な月だ


「目が覚めたんだ」


月に照らされて小池が立っていた


「うん」


慣れてきたのか過呼吸にならなかった


過呼吸になるのは愛美のせいではなかったのかもしれない


それにしても綺麗な人だ


少し大人しそうで静かな人のような気がする


「ねぇねぇ!名前なんていうの!!」


…えっ?


想像以上にウルサイ


「えっ、」


「えっ!自分の名前知らないの?!」


…んなわけないだろ


「うーん…顔的に「過呼 吸」だと思う!」


「それ顔関係ないでしょ(笑)」


「そうだね(笑)」


結構楽しい人?


あの時見た人ではないのかもしれない


別人のような気がした


いや、別人なのかもしれない…


「俺の名前は橘 薫、よろしくね」


「私の名前は小池 愛美!よろしく」


彼女は微笑んだ


その微笑み方は姉にそっくりだった


そして今朝見た人ともそっくりだった…


「私はもう、寝るね…おやすみ」


「うん。おやすみ」


その後俺は少したったあと眠った…