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母の言葉に目頭が熱くなり
一筋、涙が伝った

最後の別れを言いに来た人で
病室がいっぱいになっていく

彼がたくさんの人に
愛されていたんだと分かった

私は部屋の隅で
桃香に支えられながら泣いていた

手の震えは、ずっと止まらなかった


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