「そりゃあ寂しいね」
「いいの。私にはみんながいるもん」
「そう言って、当日は彼氏と回るくせに~」
「えへへ。ごめん」
おどけて舌を出すと、ケッと悪態を吐かれた。
そして迎えた文化祭当日。
私は部活をやっていないので、クラスの出し物に参加する。
うちのクラスはベタな洋風お化け屋敷。ドラキュラとか、狼男とかが張りぼてのお墓から出現する。
私はなぜか魔女のコスプレで、呼び込みをすることになっていた。
てろんとした黒一色のワンピースに、黒い靴。そして頭には赤くて大きなリボンをし、中庭の掃除で使う竹ぼうきを持って立つ。もう片手には黒猫のぬいぐるみ。
ワンピースの袖は七分丈で少し暑いけれど、ガリガリ度が緩和されて見えるのか、友達やクラスの女の子に『可愛い!』と褒めてもらえた。