「くっそ……」
洗ってない髪がベタベタする。
下血したお尻が気持ち悪い。
お腹が痛いし吐き気はするし、スマホを見る元気もない。
友達は、私が途中で学校からいなくなったことを心配してくれているだろうか?
あの男の子の制服はどうなっただろう。私の血で汚れてしまったに違いない。
汚れは落ちた? 落ちてなかったらどうしよう。
ねえ、あなたの名前は?
彼女はいる? 部活は何をしている? 家は学校から近い? 遠い?
いつの間にか私は、医務室までお姫様抱っこしてくれた彼のことばかり考えていた。
彼の顔を思い出すと、胸が温かくなって、お腹の痛みが和らぐような気がした。
ああ、私がクローン病なんかじゃなくて、健康な体だったらなあ。
彼と学校行事を満喫したり、ファーストフードを食べて、カラオケに行ったり、遊園地ではしゃぎまわったり。
どちらからともなく告白めいたことをして、カレカノになって、キスをしたり、いつかはお泊まりなんて……。