「もしかしてそこの使えない仮病女のことじゃないですよね?」



失礼だな。



「彼女は仮病なんかじゃない。」




花穂を庇う発言をすることで、先程の彼女からの質問を肯定する。




彼女にも大事な人が花穂であることが伝わったようだ。





「なんで、、、


なんでその女なのっ!?

私の方がスタイルも良くて、可愛くて賢いのにっ!!!」





「そういうところだよ。


人格的に君は未熟だ。



それに、苦しんでいる人を見て仮病だと決めつけるような人に、命を扱う現場で働いてほしくない。」



嫌悪感を隠したりせず、はっきりと伝える。




「そんな、、

私だって、湊先生に会いたくて頑張ったのに!

嫌いな子供の相手も我慢してしてたのに!!」



彼女の悲痛な叫びが響き渡る。




「自分の都合で人を傷つけてもいいだなんて、そんな言い訳は通用しないよ。


そこまでしてなぜ花穂に近づくんだ?



今後一切この病院にも俺たちにも近付かないでくれ。」





その言葉を聞いてカッとなったのか、彼女は近くにあった医療用カートの中身を鷲掴みにし、叫びながら手当たり次第に花穂へと投げつけた。