ーーーー!!


びっくりして咄嗟に一歩後ろへ逃げる。




…が、もう遅い。





「やっぱりね。そんなんで俺は騙されないよー。」




動揺を隠しきれていない私には気にも止めず、どうやら熱があることを知ってしまったらしい中島先生は淡々と続ける。





「湊の外来行ってきな。」




「いや、土日寝てれば治るので…。」





隠してたのバレたらきっと怒られるもん。




何でもっと早く言わないんだ、と詰め寄ってくる湊くんが容易に想像できる。




「だめ。」




即答だ。




「えー、ほんとに大丈夫なので…。」




こんな時こそいつものチャラさを発揮してほしいのに。



願い届かず、今は完全に医者っぽい。





「じゃあ、熱測って。38度以下なら見逃してあげる。」




あ、やっぱりこういうところは中島先生だ。



良かった。


これで見逃してもらえる。



さすがに8度はないでしょ。




「わかりました。」