「...あれ、咲ちゃん。大丈夫?」
結城くんが、私の顔をのぞき込む。
「!」
びゅうっと風が吹く。
前髪が煽られ、私の顔は無防備に晒される。
だめだ!1度直接会ったことあるなら、
会ったことの無い人に比べて、バレる可能性が大幅に高くなる。
かかわらない方が安全だ。
...それよりまず、顔を隠さないと!
私は腕を使い、自らの顔を覆ってダッと、彼らの間を駆け抜ける。
「え、ちょ、咲ちゃん?」
「ご、ごめんなさい!えっと、その、頭痛いので保健室〜!」
「は?ちょ、おい!」
途中で腕をつかまれた気がしたけど、
走ってたからか自然に放されていた。