「嘘!他校の僕らでさえ知ってたのに、御本人が知らないわけ?」


「御本人って...」


「だから、『珱南2年に如月っていうハルキ似の美少女が居る!』っていう噂」


...ハルキ似...


「かなーり、有名だよ。この噂」


「に、似てないよ〜」


「おれら1回だけだけど、ハルキ本人と会ったことあるんだ。
だから、よくよく見るとめっちゃ似てるよ?」


え?会ったこと...


「ドッペルゲンガーか?って思うくらいな」



あったっけ...?



「ちょっと和泉、そこは、双子か?って思うくらいな、でしょ普通」


高嶺くんが呟いた言葉に、灯くんが鋭くツッコミをいれる。


それに便乗して、結城くんが笑う。


「似てるって表現の仕方で、ドッペルゲンガーって使う人初めて見た」


「え?言わねぇの?」


談笑している高嶺くん達。


でも私はそれどころじゃなくて、


いつ彼らと会ったかを必死に思い出していた。


...でも、分からない。


記憶にない。



...いつ?...どこで?...どうやって...?