「僕 灯 玲生 ─アカシレイ─ね。まあ宜しく。
君レベルなら、まあ僕と対等に話す事はできるかな。
君さ、それ、すっぴん?」
え、なに、、、いきなりなに…?
「え、あ、なんでですか??」
「は?何で?何でって何で?
いいから早く答えてくんない?
じゃないと僕、君と口聞きたくないんだけど??」
「えっ……まぁ、いいや。
え、と、メイクはしてない、ですよ?」
ほんとかぁ?っとでも言うかのように、
じぃぃっと私をもう一度見てくる灯くん。
納得したのか、うん、とうなずくと
さっきまでの険悪な態度が嘘みたいに
にこっと笑った。
「んーーー、合格!じゃよろしくね~
これから咲って呼ぶから。
僕のことは好きに呼んでいいよ」
なんだ、この態度の変化は…?
「ちょいちょい〜れいっちったらメンクイ〜」
私の横から、にゅっと顔が出てきた。
「あ、この声、さっきの...」
木の下にいて声をかけてきた人だ。
「ぴんぽぉーん!おれ、湊!
あ、フルネームは、結城湊─ユウキソウ─ね!よろしく!」
焦げ茶色の髪のうち、
前髪がオレンジ色のピンで上げてあり
人懐こそうな焦げ茶色の目でニコッと笑う。
コチラもなかなか整った顔をしてる
見るからに、じっとしているのが苦手そうで、
柴犬が尻尾を振っているような感覚がしてきた...
「はい!」
手のひらを上に、手を差し出される。
「...はい?」
「あ・く・しゅ!」
「あ。あぁ...」
...なんだビックリした。
「よ、よろしくお願いします...」
なんなんだ...。