「騎士ながら歩きしてると転ぶよ」



ずでっ



「いっでぇぇぇぇぇえー!!!!!!!!」



凑が言ったばかりなのに、


お決まりをきっちり守る騎士。



「馬鹿...」


てか、なんで平地で転ぶんだよ...。


「ん?あれ。なぁ和泉!」


転んだ騎士が校庭茂みを覗いていた。


「こんな所にドアがあるんだけど」


「ドア...?」


「え?...あーホントだ」


玲生や凑も同じように覗き込む。


「...」


そこには俺らが入れるか入れないかくらいの小さなドアがあって、


どうやらこの奥になにかあるらしい。


「入ってみようぜ〜」


「騎士は仕事でしょ」


「え、いや、だって俺が見つけたんだよ!?

この冒険は俺がリーダーじゃねぇの!?」


やっぱり騎士は馬鹿だ。


「はいはい。いってらっしゃい騎士」


「いってら〜」


「...仕事ガンバ」


「馬ー鹿」


「んじゃな」



俺ら1人ずつの見送りの言葉に。


「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉおぉ!!!」


と、言い捨てて、騎士は去っていった。