「おーい、こっちこっち！」
　元気な声がする。
　やだなぁ。わたし、男の子って嫌い。乱暴で汚いんだもん。

だけど。

その子は違った。

ころころ・・足元にサッカーボールが転がってきた。
「あ、そのボールとってー。」
さっき叫んでいた男の子が言う。
　え、わたし？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　右を向くとさなとまいらは丸いやつで回っていて、左を向くとおじいちゃんおばあちゃんがベンチにすわって楽しそうに会話している。
　取らないと、舌打ちされそう・・・　手洗えばいいか・・・
　両手で拾って立ち上がると、目の前に１人の男が立っていた。