一緒に花火にいって、
終電逃して結局ホテルで....ってなって、
大田くんに告白された。
でも私はすぐには付き合えないって断った。

どこまでクズ女なんやろ私。

死んでしまいたい。

そんな気持ちを胸に抱きながら、8月12日のことだった。

その日はりんくうタウンまで信二と出掛けた。
まさかこれが最後のデートになるなんて。

私はカバンと荷物が重たいと嘆いていると、
無言で信二はそれを持ってくれた。
今まで荷物もってくれることなんてなかったから、びっくりして信二の顔を見た瞬間だった。


「帰るか?」

「え?」

「俺と一緒におって楽しいか?最近の花梨菜おかしい」

言い返せなかった。

「別れよ、ここで」

「え.....」


りんくうタウンの人混みの雑踏の中だった。
何も雑音も今は耳に入らなかった。


「他に気持ちがいってもとるもんなぁ!覚悟なんか出来てなかったんやろ」


そういって、信二は後ろを振り返り、私と逆の方向へ歩いていってしまった。追いかけることもせず、呆然と立ちつくした。


二兎を追う者は一兎をも得ず。
たしかにココ最近の私は史上例を見ない、クズ女だった。今でもそうだけど。
結局追い求めて追い求めて、失った。


終わった。
終わったんや。


完全に終わった。
信二との1年3ヶ月。


これで、よかった、のかな