私は仕事に戻り、バックヤードで検品をしていた。
すると深刻そうな顔で、谷口くんが戻ってきた。
「藤原さん、藤原さん!」
「どしたん?」
谷口くんは声を潜めた。
「大田くん、怒ってますで」
「え?!」
なんで?もしかして、仕事サボってると思われた?
私休憩中なんですけど。
「さっきレジフォロー行ったら、いつもありがとうって言ってくれるのに無視だったんですよ。それで、気になったからレジフォロー遅れてすみませんって謝ったらね」
「うん」
「バックヤードで藤原と何の話してたん?って聞かれて」
「え」
やっぱりこの件か。
「どうせ彼氏の相談やろ、っていわれて。いやそうじゃないんですよ!って否定したんですけど、そこでお客さん来ちゃったから話できてないです」
「えーー」
めんどくさい。
まあ確かに自分一人でレジ入ってて裏で楽しそうに談笑してたら腹立つかもしれないけど、それならベル鳴らしてくれたら谷口くんならすぐフォローいくのに。
そんなこんなで19時で私はあがりだったので、帰ることにした。最後に大田くんにお疲れ様って言おうとしたけど、レジがけっこう混んでいたので、そのまま帰った。
そして次の日、また谷口くんとシフトが被っていた。
私が休憩中、谷口くんが出勤してくるなりまた昨日のような表情で話しかけてきた。
「藤原さん、やばいっすよ」
「何が?」
すると谷口くんは、顔の前で手を合わせて少し頭を下げた。
「結論からいうと、まずごめんなさい!」
「え」
谷口くんの話は、
まず私が帰ったあとに、谷口くんと大田くんは話す機会があった。
その時に大田くんは、私のことを聞いてきたらしい。どこにいったん?って。
谷口くんが帰りましたよ、っていったら大きくため息をついて「はぁ?!」と声を荒らげたらしい。
お疲れ様ですも言わないで、帰るってどういうことだと。
谷口くんは、レジが混んでたから挨拶するタイミング見失ったらしいですよとフォローを入れたが、無意味だったらしい。
そもそもなんの話しをしてそんなに盛り上がっていたのかと。
大田くんの表情が怒り狂ってるのを悟り、谷口くんはどうすることも出来なかったらしい。
「で、どうしたの?」
「俺もう....本当のこと言うしかないと思って。藤原さんは彼氏と別れて、大田くんのことが気になっててその相談に乗ってたって言っちゃいました」
「.......」
「....は、はぁ?!」
あっけに取られる私の前で、ひたすら手を合わせて谷口くんは謝ってきた。
「ほんまにごめんなさい!でもね...それを言った途端、大田くんの表情が少し和らいだんです。えっー嘘やろ?って言ってたけど。彼氏と別れて、すぐに俺のところってどういうこと?みたいな。でも満更じゃなさそうでしたよ」
「ちょっと待ってよ、私来週被る時どんな顔すればいいわけ? 気まずいやん」
「でも、これは逆にチャンスですよ。相手も今意識してると思いますし」
「そ、そうだとしても....」
恥ずかしい。
でも谷口くんの判断は間違っていなかったと思う。
でも何かよくわからない。
そんなことで怒るような人を、好きになってもいいんかな?
すると深刻そうな顔で、谷口くんが戻ってきた。
「藤原さん、藤原さん!」
「どしたん?」
谷口くんは声を潜めた。
「大田くん、怒ってますで」
「え?!」
なんで?もしかして、仕事サボってると思われた?
私休憩中なんですけど。
「さっきレジフォロー行ったら、いつもありがとうって言ってくれるのに無視だったんですよ。それで、気になったからレジフォロー遅れてすみませんって謝ったらね」
「うん」
「バックヤードで藤原と何の話してたん?って聞かれて」
「え」
やっぱりこの件か。
「どうせ彼氏の相談やろ、っていわれて。いやそうじゃないんですよ!って否定したんですけど、そこでお客さん来ちゃったから話できてないです」
「えーー」
めんどくさい。
まあ確かに自分一人でレジ入ってて裏で楽しそうに談笑してたら腹立つかもしれないけど、それならベル鳴らしてくれたら谷口くんならすぐフォローいくのに。
そんなこんなで19時で私はあがりだったので、帰ることにした。最後に大田くんにお疲れ様って言おうとしたけど、レジがけっこう混んでいたので、そのまま帰った。
そして次の日、また谷口くんとシフトが被っていた。
私が休憩中、谷口くんが出勤してくるなりまた昨日のような表情で話しかけてきた。
「藤原さん、やばいっすよ」
「何が?」
すると谷口くんは、顔の前で手を合わせて少し頭を下げた。
「結論からいうと、まずごめんなさい!」
「え」
谷口くんの話は、
まず私が帰ったあとに、谷口くんと大田くんは話す機会があった。
その時に大田くんは、私のことを聞いてきたらしい。どこにいったん?って。
谷口くんが帰りましたよ、っていったら大きくため息をついて「はぁ?!」と声を荒らげたらしい。
お疲れ様ですも言わないで、帰るってどういうことだと。
谷口くんは、レジが混んでたから挨拶するタイミング見失ったらしいですよとフォローを入れたが、無意味だったらしい。
そもそもなんの話しをしてそんなに盛り上がっていたのかと。
大田くんの表情が怒り狂ってるのを悟り、谷口くんはどうすることも出来なかったらしい。
「で、どうしたの?」
「俺もう....本当のこと言うしかないと思って。藤原さんは彼氏と別れて、大田くんのことが気になっててその相談に乗ってたって言っちゃいました」
「.......」
「....は、はぁ?!」
あっけに取られる私の前で、ひたすら手を合わせて谷口くんは謝ってきた。
「ほんまにごめんなさい!でもね...それを言った途端、大田くんの表情が少し和らいだんです。えっー嘘やろ?って言ってたけど。彼氏と別れて、すぐに俺のところってどういうこと?みたいな。でも満更じゃなさそうでしたよ」
「ちょっと待ってよ、私来週被る時どんな顔すればいいわけ? 気まずいやん」
「でも、これは逆にチャンスですよ。相手も今意識してると思いますし」
「そ、そうだとしても....」
恥ずかしい。
でも谷口くんの判断は間違っていなかったと思う。
でも何かよくわからない。
そんなことで怒るような人を、好きになってもいいんかな?