「あたしさぁ」
職場の大学生アルバイト、谷口くんとは恋愛相談するほどの仲だ。かなりのイケメンで同い年。顔だけじゃなくて中身までイケメン。天は二物を与えず、ていうけど与えすぎてる。付き合って三年になる彼女がいる。彼女の相談もたまに聞いたりしていた。
「大田くんって、ちょっと前に好きだった人に似てるんよ」
またもや同じ大学生アルバイトの、大田くん。
「そうなんすか?」
谷口くんは、あたしが彼氏がいること知ってて、こう続けた。
「いっちゃったらいいじゃないすか」
実は谷口くんに、最近彼氏と上手くいってないことを相談していた。
「まーーちょっといいな思ってるだけやから」
そう。
それだけ。
鋭い目。
がっしりした体型。
ヤンチャそうな雰囲気。
いつの間にか、目で追っていた。