今まで一度も行為中に、
あたしの名前を呼んだことなんてなかった。




「イクッ」



そういって、信二はあたしのもとへ倒れ込んできた。







どうして?






なんで、




涙が出てくるん?





信二はあたしだけを見てくれてるのに、
なんであたしは、信二だけを
見れへんの?





「っ」




ボロボロ出てくる涙を必死に隠した。









ごめんね、
こんな彼女で。



彼女失格。