「よっ」


阪急梅田駅を降りると、スーツ姿のウッディがいた。かなり目立つ格好だ。


「なんでスーツなん?」


「俺、夜勤明け。今さぁ、キャバクラのボーイやってんねんよ。てか、喧嘩明けやしぃ」


「喧嘩?」


一瞬もう新しい彼女ができて、その人と喧嘩でもしたのかと思ったけど違った。


殴り合いとかの方の喧嘩だった。


店長が来るまで、喫茶店でもいようという話になって、変な雰囲気の喫茶店に二人で入った。横にチェーン店のおしゃれなカフェがあるのに、あえてこういうところを選ぶのがウッディらしい。店員さんも愛想悪いし、なんなのこの店。


それから、ウッディは延々と、
職場で起きた喧嘩の話について語り始めた。
ウッディって、なんか、
よくそーゆーことに巻き込まれてるよーな。



「.....」



あたしがちらっと携帯を見ると、LINEの通知が来ていた。貴方からだった。




【 どこ? 】



「あ、やばー。店長もうくるわ」


「そーなん。ほな迎えに行っておいで」


「あ、うん」



あたしは荷物を持って、喫茶店を出た。


待ち合わせ場所があんまりよくわかってなかったみたいだ。



JR大阪駅から阪急梅田駅を連絡する橋の上まで行き、私は電話をかけた。




「もしもしーー?」


「はぁい」


久しぶりにあなたの声を聴いて少しドキッとした。



「どこにおるん?」

「ヨドバシカメラのーー、、、」

「え?あ」


あなたの姿を見つけて、あたしは電話を切った。


変わらないツーブロックの髪に、伊達メガネ。
短パンにサンダルなところが、シュッとしていてまたいい。


「わからんかったわー」

「よおここまでたどり着けたなぁ」


隣を歩く。
独特な香水の香りが漂った。
あとから聞くと、ブルガリをつけていたらしい。



また変な喫茶店に戻って、
ウッディとあなたは二年ぶりの再会を果たした。


「お久しぶりっす」


二年前に戻ったかのような感覚だった。