そして、あれからはや一年。
家族との時間を大事にし、花梨菜への
寂しさもなくなってきて、
何の変哲もない平和な日々を過ごしている。

これでいい。
刺激もスリルももう何もいらない…


「ちょっとー」


今日は嫁の帰りが遅いため、俺が晩飯を作った。食卓に並べ、嫁と娘が席に座り、俺も座ろうとしたその時に、嫁が言った。


「…盛り付け方…変。もさっとしてるなにこれー」


明らかに馬鹿にしたような顔で。
はぁ?いちいち文句付けるならお前がしろよ。


と言いたくなるけど、ここはグッと堪える。


「これが俺のセンスやねん」

そういって箸をつけた。


「まあなんでもいいけどーー。洗い物もよろしくね」

「へい」


嫁の満面の笑みには、逆らえない。