言葉にはしないけど、想われてるのは確かだ。
人には誰にでも忘れられない人がいるし、
俺だって、高校の時の初めての彼女は忘れられない。嫁は家族であり、パートナー。


花梨菜は…また違った特別な存在。
仕事や家事や育児で疲れた現実から、
少し逃避させてくれる、癒しの存在。
かといって俺は今すぐ家庭を投げ出して
花梨菜の元へ行くことは出来ないし、
それは花梨菜にとって幸せな結末になるかといえば、そうではない。



地位も信頼も金も失った俺と一緒になっても、花梨菜は幸せになれない。花梨菜のことやから「店長と一緒におれたら幸せ」だのなんだのいうんやろけど、俺は「独身の普通の男」と「普通の幸せ」をつかんでほしい。



こんな中古のおっさんと一緒になるより、
何の汚れもない、普通の男と
幸せになってほしい。
あと、お金には困って欲しくない。



軽はずみな行動に出てしまったことは反省する。だから、花梨菜に早く彼氏見つけろよ、といって、背中を押した。



…本音をいえば、何も考えず俺が幸せにしてあげたかったけど。


あまりにも問題が、多すぎる。

勝手やなぁ。俺って