「はい、了解しました。明日までに完了させます…はい、はい…あはは、はい。分かってますよ。はい、失礼します。はーい」




ガチャッ。
受話器を置くと同時にため息が出た。



「ほんま、無茶振りしやがって」



誰にも聞こえないくらいの音量で独り言を呟く。パソコンの画面と向き合いながら、片手で業務用LINEの返事を行う。かと思えば、上司からの電話…




「店長!お客さんがレジが遅いと怒ってます!」


かと思えば、


小太りのスタッフが、深刻な顔をしてやってきた。クレームなんざ日常茶飯事。しかも大概理不尽な理由。めんどくさいの一言に尽きる。



「へいへいへいへい、今行きますよ」


パソコンとスマホの画面を閉じて、売り場へ向かう。




こうしてる最中にも、兼任先のもう一店舗の店では人がいません、出てください、のLINEがきている。俺は今日はここの店だけで精一杯やってのに、だーれも出てくれん。だからしまいに俺が往復二時間かけて、兼任先の店にいくはめになるんだよねー。


田舎やから、県をまたいで兼任なのは仕方ないことやけれども、もうちょいあそこのスタッフも気遣いしてくれんかねぇ…。まあ今更そんなこと言ってもどうにもならんけど。