それから、遠距離恋愛が始まった。
遠距離といっても、往復5時間程度の
日帰りでいけるところだけれども。


あなたは新店舗の店長となり、
忙しくてほとんど連絡も取れなかった。
今まで頻繁にLINEしていたけれど、
家族のいる家に帰ってしまった以上、
それは難しくなった。



圧倒的フェアじゃない恋愛を
していることを身にしみて感じた。
それでも、あなたが好きだった。


やめれなかった。



秋になり、少し店が落ち着き、
あたしはどうしても会いたくなって、
往復四千円をかけて、あなたに会いに行った。


あなたは驚いて、「アホやなぁ」
と言っていたけど、
そんなでも受け入れてくれた。



年が明け、冬。
あたしは毎週のようにあなたに会いに行った。




毎日のLINE。
でも奥さんと休みがかぶる日は連絡はなかった。


それでもよかった。

奥さんからあなたを奪おうとは思わなかったし、家族は大事にして欲しかった。
まあこんなことしてる時点で完璧に大事にはしてないのだけど。



あたしも新しい独身の彼氏ができたら、
あなたとはさよならできるはず。



そう考えていたし、
あなたもそう考えていた。