「お前さ、莉音のこと好きなの?」

「は、はぁ?!俺が?」

俺が莉音を、好き?
そんなはずない。
莉音は蒼磨と同じ、大切な幼なじみで。
それ以上でも以下でもなくて。

でも…
でも、莉音の鼻に貼っている絆創膏が変わっていたのを見て、少し悔しかった。
その絆創膏が蒼磨の物だと知ったら、なおさら。

「俺…」

「好き、なんだろ?」

「っっ!もしそうだとしたら何だってんだよ」

そうだ。
俺の想い人なんて、いくら蒼磨とはいえ関係のない話だ。
蒼磨のことだ。
ただ好きな人を聞き出そうと思っているわけではないんだろう。
だとしたらどうして…。

「…お前、まさか」

『莉音のことが好きなのか?』

最後の言葉は出てこなかった。