……来た。



「はーい、七原さーん。痛み止めの注射しますよー!」



「あ、はーい、お願いします。」



看護婦が来て、俺は横に寝かされた。



「アルコール消毒のかぶれは……どうせないんでしょう?」



よ、よくご存知で……。



「で、お腹はいつから痛いわけ?」



「今朝からですかね……。」



「まあ、急にあれだけ運動したら痛くもなるわよね。」



ゲゲンチョ! パッと母さんの方を見ると……。



「さ、聡ちゃん? どういうこと?」



「え? いやあ、えへへ……。」



こら、看護婦! 余計なこと言うな!



「はーい、じゃあ筋肉注射だから、痛いけど、我慢してね。」



「あのー、痛いってどれくらいですか?」



「うーん、そうねえ……ペンチで舌を引っこ抜かれるくらいかな?」



「じ、地獄じゃないっすか!」



「はーい、後悔してももう遅い! ゴー・トゥー・ヘル~♪」



そう言って、看護婦は俺の左腕の、肩に近い場所に、太い針を刺した。



「いででででっ!」



「はーい、我慢我慢。」