「鬼が増えたね、聡くん!」



「はあ……はあ……なあ、一体……いつまで……走るんだ?」



「んー、決めてない! ノープランだよ!」



「ノー、ノープランって……ってか、それにしても足速すぎじゃね?」



「まあね。私のおじいちゃん、マサイ族だから。」



インド人でマサイ族の血を引いているって、どんな家系なんだろうか……。



「それより、結構ピンチかも……。」



そう言って祭は急にスピードを緩めた。



前を見ると……ああ、看護婦たちが待ち構えていて、行く手を塞いでいた。