「確かにやっちゃいけないことだけどさー、これはいくらなんでもまずくないか?」
「あれー? もしかして、聡くん、びびってんの?」
そう言って、祭は俺を馬鹿にするような目で見た。
「……心外だな。」
俺はストレッチを始めた。びびっていないということを証明するかのように。
「そう来なくっちゃ!」
まさか祭はこう言えば、俺が嫌でもやるということを知っているのだろうか。してやられた感じがして、気が進まない。
それから、俺は一つ気になることがあった。
「祭ってさ、心臓が悪いって言ってたよな?」
「さすがー! よく覚えてたね。」
「その……よくわかんないけど、走っても大丈夫なのか?」
「うん! ダイジョウブートキャンプだよ、聡くん!」
ブートキャンプは知らないが、まあ本人が大丈夫と言うのならいいのだろう。