待ち合わせ場所に着くと、紺色のカーディガンを着た祭は既に来ていて、腕組みをしながら、貧乏ゆすりをしていた。



まずいな。怒っている。



「や、やあ!」



俺の中では最大限に明るく振舞ったつもりなのだが、それがかえって逆鱗に触れたらしい。



「『やあ!』じゃないわよ! 何分待ったと思ってんの!」



俺はスマホで時刻を確認した。



「何分って、まだ2分……。」



「2分? 2分もあればカップ麺ができるわ!」



「いや、カップ麺は大体3分じゃ……?」



「私は硬めが好きだから2分なの!」



……さいですか。