懐かしい戦友を思い出すような、高尚な気持ちに浸っていると、スマホがぶるっと震えた。



開くと、彼女の美紀からのメールが来ていた。



「今日は学食でチョココロネを手に入れることに成功したぞ! お見舞いに行くまではこれで我慢な!」



の本文と共に、チョココロネの横で一人ガッツポーズを決める美紀の写メが添付されていた。



美紀には病気のことを詳しく話していない。言ったところで、理解されるとも思っていないし、難病になったなんて言えば、心配かけると思ったのだ。



美紀までつらい思いをしなくてもいい。つらいのは俺だけでいい。そのために、お見舞いもずっと遠慮してきたのだ。



ただ、美紀はこのメールを見る限りでは、お見舞いに行く気満々といった感じで、弱った。しかしまあ、俺が入院している病院を知らないだろうから、来ることもできないだろう。



「それはよかったね。すぐに退院するから、大人しく待ってて!笑」



そう返信して、トイレに立った。本日3回目のトイレだ。