仕事が手に付かなかった、
考えるのは陽斗君のことばかりで、仕事も残業2時間、掛かってしまった。


急いで帰り支度をする。
24時間開いている大型ディスカウントストアへ向かう。
何でも揃うこの店で、男物の下着とルームウエアを手に取った。


きっと、もう私の部屋には陽斗君は居ないのに。
居るはずもないのに、朝、頼まれた物を手に取っていた。
次々にカゴに入れる陽斗君の日用品。


手早くお会計を済ませ、今度は24時間オープンのスーパーへと向かう。
夕飯の材料と明日の朝食の材料をカゴへ放り込み、足早に自宅を目指す。


両手一杯、抱え切れない荷物の重さも感じないほど走っていた。
目指すは自宅。


いつもは電気の点いていない冷え切った部屋を目指す。
今日だって同じかも知れないのに。