目に留まった大きな本棚。
本棚の中には所狭しと、たくさんの本が並べられていた。


テレビを見ない董子さんは休みの日や暇な時は、読書に明け暮れているのだろう。
そんな董子さんの日常が垣間見えた。



本棚から1冊取り出し、董子さんの甘い香りのするベッドに寝そべる。
ペラリと1枚ページを捲り、手に取った小説を読み出す。


どうやら他愛のない恋愛小説のようだ。
女の子が空くそうな内容の小説に、俺ならこの主人公の男をこう演じるだろうな、なんて考えながら読み進めた。


1冊終わり、また1冊。
テレビのない空間は、こうも静寂で安心を与えてくれるものなのかと、董子さんの香りに包まれ、俺の意識は遠退いていった。